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【動画はこちらから】※金属機のスポンジだけを交換する動画です
ほとんどの機種に針押さえという長い棒状の部品がついています。
これは針の下の見えないところについていますが、大抵の場合簡単に取り外し、交換ができる様になっています。
使った頻度が少ない機種でも、中のスポンジが経年劣化する為に中古の機械はほとんどのものが針押さえ交換の必要があります。
(横から見てスポンジ部分が見えていないのは完全にアウトです)
(金属部分よりスポンジが上に出ていないといけない。スポンジ部分で針を抑えていた形跡だけは残っている)
まず最初に知っておいていただきたい事は、針押さえは編み機の命という事です。
そしてここが悪い機械はどこか他も悪い可能性が大です。
針押さえを交換するなら一緒に他も点検してもらうのがいいと思います。
使っていてヘタってきた、という場合やご自分でやってみたいという方は怪我に十分注意して、是非挑戦してみてください。
針押さえ交換の目安
また針押さえの金属部分のサビがひどい場合は金属ごと新しいものに交換してください。
交換の目安は編み機を傾けて振って針が落ちてこないかです。
プラ機は針押さえに金属部分がなく、スポンジのみで針を押さえていて、スポンジがヘタっているとシーソーの様に両端が上下します。
そういう状態でキャリッジを動かすと、キャリッジ内部の磁石で針が浮いて、針が引っかかって曲がってしまうという事もあります。
プラ機の場合は針がガタガタ動く状態ではあまりキャリッジを動かさない方がいいでしょう。
必要な道具

新しいスポンジ、ニッパーやペンチ、トンカチ、マイナスドライバー、ヤスリ、刃先が平らな彫刻刀(の様なもの)、両面テープ(幅9mm未満のもの)、ハサミ、しっかりした台、ツメのパーツ2個(金属の針押さえのみ)
ツメはこの講座の生徒さんには無料で送ります。必要な方はお申し出ください(先生から譲っていただきました)
純正のスポンジかスキマテープか?!
「新しいスポンジと、ツメをどこで買うか」
これが針交換の最難関です。
新しいスポンジはシルバーリードサービスさんや、中国系のショッピングサイトでも新品が買えます。
プラ機の方はそれだけで大丈夫ですが、金属の針押さえはツメが問題でした。
このツメは取り外しにくく、綺麗に取り外して再利用するのが難しいからです。
ですがKnittingBirdさんでセットで発売が開始されました
https://proef.ocnk.net/product/556
(↑売り切れの場合はご相談ください)
※追記:私からも針押さえスポンジを購入していただけるようになりました。ニッティングバードさんで販売しているものと多分同じで、純正ではありませんが、針押さえ用に特別に作られたものですのでご安心ください。
ここに書いてある手順で私の動画も説明しています。
(KnittingBirdさんもブラザーのメーカーさんと繋がりがあるところです)
詳しい写真もありますので是非合わせてお読みください。
ちなみにシルバーもブラザーも針押さえのスポンジに種類はなく、どれも共通して使えます。
※機種が古いものは使えない可能性があります。
だいたい耐用年数は金属の編み機なら6〜7年、プラ機なら10年もつそうです。
※使用頻度によって異なります
新しいスポンジをスキマテープにリボンをつけて代用するケースも動画がよく出回っています。
私ももちろんやってみました!
100均のスキマテープ→クッション性が足りなかった
ちょっとクッション性が良さそうなもの→値段が新品のスポンジより高かった
固めのスキマテープのようなもの→編み機の中に入れにくくてものすごい大変だった、挙句針の動きが重すぎて使えず、先生に泣きついて針押さえを抜いてもらった
という結果になりました。
そして上手く行った人も「耐用年数が純正のものに比べて全然良くない」という話も聞きました。
確かに想定している用途ではないので当然かもしれません。
もちろんとりあえずそれでやってみたい!という方は是非やってみてください。
私は遠回りした結果、素直に純正スポンジを買う事をお勧めしています。
そして金属機の場合は金属部分ごと取り替えるのが一番楽だという事にも気づきました。
動画では金属機のスポンジだけ替える作業をやっていますが、そんなことやる必要もありません。
本当に面倒臭いので、急いでいる時などは私は金属部分だけそっくり替えてしまっています。
いらなくなった針押さえは錆がなく綺麗なものでしたらまた再利用できるのでとっておいています。
追記:生徒さんの中でamazonで買った針押さえが使用後半年もたたないうちに真ん中がスカスカになって、針がきちんと針を押さえていない事に気がついて純正のものに変えた、という事がありました。
やはり純正がおすすめです。
スポンジ交換の仕方
※怪我に十分注意して行ってください
- ペンチで両端のツメを折る
- トンカチとマイナスドライバーで残ったパーツを押し出してとる
- (ツメを再利用する方はペンチなどでこじあければいいですが、金属部分もパーツも割れやすいので気をつけてください。)
- 内側に曲がった部分をペンチで伸ばす
- 古いスポンジを取り、彫刻刀などできれいに撮る
- サビがある場合はヤスリで擦って落とす
- 綺麗になったら真ん中に両面テープをできるだけ真ん中に端から端まで貼る
- マイナスドライバーでテープを上から押さえてしっかりつける
- スポンジの長さを両側のツメの切れ目に合わせて切る
- スポンジの両端をナナメにカットする。1cmまっすぐ、あとは斜めに4cm程度
- ツメを両端にはめる。ペンチでゆっくり挟んでしっかりしまるまで強くしめる
- 裏側から押してしっかり接着させる
- 針押さえの金属部分がまっすぐか確認する
- 編み機に戻す 針を押さえながらゆっくり押し入れる
プラ機の場合は針を全部抜いて掃除をした後新しいスポンジに交換します
ネジを取らないといけないものは取ります。
るーぱるふれんどは特殊なので別で説明します
ツメの役割
動画で自分で金属製の針押さえを交換している人はツメの代わりにテープで止めたりしている人も見かけます。そしてそれで使えています。
ツメいる?と私も思っていました。
交換の時大変で仕方がないからもうつけなくてもいいのでは?と思いがちですが、やっぱツメいるわ〜と思う事がありました。
新品の針押さえに変えた後に、1本針交換をしなければいけない事態になりました。
針押さえを抜きたくてもスポンジがしっかりしてるのでなかなか抜けません。
手では無理なのでマイナスドライバーをトンカチでコンコン打って針押さえを抜いていきました。
この時コンコンするのはツメです。
ツメがないと金属部分をコンコンする事になって、曲がってしまう可能性があります。
針押さえが曲がったらもっと抜けないし抜けても今度は入らなくなるかもしれません。
こうやって針押さえを出す為にもツメはいるんだなと思いました。
針印のシート
金属の編み機は針の下にシートが敷いてあります。
それも針押さえ交換の際に綺麗にしてみましょう。
戻す時は印をきっちり合わせてずれないように気をつけましょう。

手前側がボロボロで糸がよく引っかかるという場合は下側を切ってあげましょう。
両端が出ていたら、ナナメにカットしてあげるといいです。
交換後のチェック
針を出してキャリッジを動かしてみましょう。
スムーズに動くでしょうか?
金属機の場合はその確認の後に編み地押さえ(銀色の部分)をつけてみます。
そして編み地押さえと針との距離を測ってみます。
金属機は糸が針にかかっていない状態で0.5mmがベストです。
本当にスレスレです。
(編み地押さえのないプラ機の場合はもう少し広くて大丈夫です)
編み地押さえを落として変形してしまっている場合があります。
編み地押さえが針に当たったり、間が広すぎる場合は手で押さえたりして修正してください。
※純正でないスポンジを使っている場合は、スポンジに問題がある場合があります
